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2026年診療報酬改定で「説明可能な見守り」を考える ― 制御できるアラームを、現場の判断の支援と業務につなげるにはどうしたらよいか ―

  • 執筆者の写真: MEGTAR_PR
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  • 2 分前
  • 読了時間: 5分
制御できるアラームを、現場の判断の支援と業務につなげるにはどうしたらよいか

前回の記事では、見守りシステムの検討が進まない理由として、「視点を揃えようとしても揃わない」状態が起きる背景を整理しました。



その原因は、離床や体動といった原理的にノイズを制御できない対象を管理軸にしてしまっている点にあり、まずは制御可能な対象、すなわち医療機器のアラームに管理対象を絞るべきではないか、という問題提起を行いました。





では、アラームのノイズを減らし、「制御できている」状態を作れたとします。次に問われるのは、そのアラームが現場の判断の支援や業務につながる形になっているか、という点です。

実は、多くの医療現場ではここで再び立ち止まることになります。





アラームが減っても、現場は楽にならない理由

アラーム管理に取り組み、不要なテクニカルアラームを減らしたにもかかわらず、


  • 忙しさがあまり変わらない

  • 判断に迷う場面が減った実感がない

  • 効果検証をしようとしても、何を指標にすべきかわからない


といった声が出てくることは珍しくありません。



これは、アラームそのものは制御できていても、「アラーム=判断材料」になっていないためです。



多くのアラームは、依然として「鳴った/鳴らなかった」「回数が多い/少ない」という事象(イベント)としてしか扱われていません。しかし、現場が本当に必要としているのは、イベントそのものではなく、


  • これは今、誰が

  • どの程度の緊急度で

  • どんな判断をすべき状況なのか


という判断に必要な情報です。





アラームは「通知」ではなく「問い」であるべき

説明可能な見守りを考える上で重要なのは、アラームを単なる通知として扱わないことです。



本来、アラームは現場に対して次のような「問い」を投げかける存在であるべきです。


  • 今すぐ対応が必要なのか

  • 少し様子を見る判断が妥当なのか

  • 他の情報と合わせて確認すべきなのか


ところが、実際には多くのアラームが「何か起きたらしい」という曖昧な合図にとどまっています。



この状態では、アラームが減っても、結局ベッドサイドに行って確認する、念のため対応する、経験の浅いスタッフは慎重になり、判断が遅れる、といった行動は以前と変わりません。





判断を支援するアラームとは、どういう状態か

では、「判断を支援するアラーム」とはどのようなものなのでしょうか。



それは、アラーム単体で完結するものではありません。少なくとも、次の要素がセットで提示されている必要があります。


  • アラームが発生した背景情報

  • その時点の実測値や変化の傾向

  • 過去の同一患者での発生状況

  • これまでの対応履歴との関係


これらが揃って初めて、現場は「これは急変の兆候かもしれない」「前回と同じパターンなので、優先度は低い」といった判断を行うことができます。



つまり、アラームを「点」で見るのではなく、「文脈」として見ることができることが重要になります。





業務につながらないアラームは、結局ノイズになる

もう一つ重要なのは、判断と業務の接続です。



仮に判断ができたとしても、その先に、誰が動くのか、何を省略できるのか、どの業務が前倒しできるのかが見えていなければ、アラームは業務改善にはつながりません。



その結果、


  • 判断はできるが、結局今まで通り動く

  • 忙しさは変わらない

  • 効果検証をしても「何が変わったのかわからない」


という状況に陥ります。



説明可能な見守りとは、アラーム → 判断 → 業務この一連の流れが説明できる状態を指します。





効果検証が難しいのは「指標」が悪いからではない

「見守りの効果検証は難しい」と言われることがありますが、多くの場合、問題は指標そのものではありません。



「何を判断したのか」「その判断で何の業務が変わったのか」、この関係が整理されていないまま、「アラーム件数」や「対応時間」だけを見ようとするため、評価が成立しなくなっているのです。



逆に言えば、判断が明確になり、業務とのつながりが整理されていれば効果検証は後から自然についてきます。





判断と業務をつなげる本当のねらい

前回の記事では、見守りの検討において視点を揃えるためには、まず制御可能な管理対象に絞る必要がある、という話をしました。



今回の記事でお伝えしたかったのは、その次の段階です。もしアラームのノイズを抑え、制御できている状態を作れたとするなら、次に考えるべきは、



そのアラームを、現場がどのような判断材料として受け取り、どの業務の見直しに活かしていくのか



という点です。



説明可能な見守りとは、システムが何かを決めることではありません。現場が行っている判断と業務の流れを、あとから振り返って説明できる形に整理できているか、という話です。

この視点を持てるかどうかで、見守りは「また一つ増えたシステム」になるのか、それとも「現場の判断を支える情報の使い方」になるのかが分かれていきます。



次回は、判断を支援するためのアラーム情報を、現場でどう整理し、業務改善の議論につなげていくのかについて、もう一段具体的に考えていく予定です。

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