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難病・重度心身障害者グループホームの現場から見えた医療機器監視システムの可能性

執筆者の写真: MICHIHIKO MIKAMIMICHIHIKO MIKAMI

はじめに


みなさん、こんにちは。MEGTAR開発担当の三上です。

私は現在、医療機器の異常を早期に発見するための、MEGTARの開発に携わっています。


このシステムは、カメラとマイクを使用して医療機器を24時間監視し、アラームが発生した際の状況を画像として記録する機能を持っています。


今回、システムの実地での有用性を検討するため、難病・重度心身障害者向けのグループホームを見学する機会を得ましたのでレポートしたいと思います。



難病・重度心身障害者向けグループホームの重要性


近年、障害者の地域生活への移行が推進される中で、重度障害者向けのグループホームの重要性が増しています。


特に医療ケアを必要とする重度障害者にとって、病院でもなく、かといって完全な在宅でもない、中間的な住まいの場としてのグループホームは、とても重要な選択肢となっています。


グループホームには、以下のような意義があります。


  • 地域社会との関わりを持ちながら、専門的なケアを受けられる環境を提供

  • 家族の介護負担を軽減しつつ、定期的な面会や交流が可能

  • 同じような状況の入居者同士での相互理解と支え合いの場となる

  • 医療機関との連携を維持しながら、より家庭的な環境での生活が可能



見学施設の特徴


グループホーム全景
グループホーム全景

今回見学させていただいた施設は、日中サービス支援型の2階建てグループホームで、障害区分6の重度の方や難病及び医療依存度の高い方々が生活されています。


設備面の特徴



  • 各居室にはクローゼットが配備され、独自の壁紙で飾られており、プライバシーを配慮した快適な居住空間が確保されている

  • 広々とした共用スペースがあり、車椅子での移動がスムーズ

  • 緊急時対応のためのナースコール設備

  • バリアフリー設計と各所への手すりの設置

  • リフト付きの浴室設備


    ミスト浴も可能
    ミスト浴も可能


運営面の特徴


  • 24時間体制での介護職員・看護師の配置

  • 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による定期的なリハビリプログラム

  • 定期的な医師の往診システム



現場見学からの所感


実際に施設を見学させていただき、特に印象的だったのは、医療ケアの必要性と生活の質の向上の両立に対するスタッフの皆さんの真摯な取り組みでした。


医療ケア、リハビリ、訪問診療・往診をバランスよく受けられる施設は少なく、このような施設がもっと増えたらよいのに、と感じました。


ただし、医療機器の管理と日常生活支援の両方を24時間体制で行うことは大変難しいとも感じました。


特に夜間の人員配置については、どの施設でも課題となるでしょう。


夜勤の職員は限られた人数で多くの入居者の方々を見守る必要があり、医療機器のアラーム対応と通常の介護業務の両立は解決の難しい悩ましい課題です。


また、医療機器のアラームが誤作動を起こした際の対応や、アラーム音が他の入居者の方々の睡眠を妨げないようにする工夫なども、現場ならではの課題として考えられます。



医療機器監視システムの可能性


今回の見学を通じて、私たちが開発している医療機器監視システムが、以下のような形で施設運営に貢献できる可能性があることが見えてきました。


1. 夜間業務の効率化


  • カメラによる遠隔モニタリングにより、夜勤職員の動線を最適化

  • アラーム発生時の映像記録により、状況の正確な把握と引継ぎが可能

  • 誤報の検証と、アラーム設定の最適化に活用可能


2. 安全性の向上


  • 複数の医療機器を一元的に監視することによる見落としの防止

  • 異常の早期発見による予防的な対応の実現

  • 緊急時の状況を映像で記録することによる、対応手順の改善


3. ケアの質の向上


  • 蓄積された映像データを活用した職員研修

  • 医療機器の使用状況の分析による、より適切な機器選定

  • 入居者ごとの細かな変化の記録と共有


4. 家族との情報共有


  • 医療機器の使用状況や異常発生時の対応について、より具体的な説明が可能

  • 定期的なケア会議での映像活用による、より良い意思疎通

  • 遠隔地の家族への状況報告の充実



今後の課題


一方で、システム導入に向けては以下のような課題も明らかになりました。


プライバシーへの配慮


  • 撮影範囲の適切な設定

  • 映像データの管理方法の確立

  • 入居者・家族への十分な説明と同意取得


運用面での調整


  • 既存の介護記録システムとの連携

  • 職員への教育研修プログラムの整備

  • コスト面での検討


技術的な改善点


  • 誤報の低減

  • 映像・音声品質の最適化

  • システムの冗長性確保



おわりに


今回の見学を通じて、難病・重度心身障害者向けのグループホームという場所で、医療と生活の質の両立を目指して日々奮闘されている現場の実態を知ることができました。


私たちの開発している医療機器監視システムが、そうした現場のお役に立てる可能性を感じると同時に、より良いシステムとするために取り組むべき課題も見えてきました。


今後は、今回の見学で得られた知見を開発に活かし、現場のニーズにより適した形でシステムを改善していきたいと考えています。


同時に、プライバシーへの配慮や運用面での使いやすさなど、技術面以外の要素についても十分な検討を重ねていく必要があります。


医療ケアが必要な方々の地域生活を支える一助となれるよう、引き続きシステムの開発に取り組んでまいります。


最後に、お忙しい中、見学の機会を提供してくださった施設の皆様に心より感謝申し上げます。


見学施設:

医療ケアRe'sela Holmes小郡

福岡県小郡市下岩田355-6

TEL:0942-48-1922


現在Re'selaさんではフリーレントキャンペーンを実施されているとのことです。

キャンペーン期間は令和7年1月1日から令和7年3月31日まで。

入居してから3か月分の家賃が免除されるそうです。


ご興味がある方はリセラホームズさんへお問い合わせください。

お問い合わせ先電話番号:092-410-8829



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