2026年診療報酬改定対応で見守りシステムが「詰まりやすいポイント」を整理する
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更新日:6 日前

2026年診療報酬改定では、見守りシステムやICT活用について、「導入しているかどうか」ではなく、「業務効率化にどう寄与したかを説明できるか」が評価の軸として示されました。
前回は、短期間で制度対応を見据えた見守り運用を行うために必要な前提として、
目的と対象を明確にすること
振り返り、説明できる形で情報が残ること
現場の負担を増やさないこと
という3つの条件を明らかにしました。
今回はさらに踏み込み、介護施設向けに設計された見守りシステムを急性期病院で活用しようとした際に、どこで詰まりやすいのかを、制度要件と現場運用の両面から整理してみます。
「制度対応できそう」に見えて、現場で詰まりやすい理由
今回の改定を受け、介護施設や慢性期領域で実績のある見守りシステムを、急性期病院でも活用しようとする動きは、今後確実に増えていくと考えられます。
制度要件の文言だけを見ると、「見守り機器を組織的に活用している」「看護業務の効率化につながっている」と説明できそうに見えるためです。
しかし実際の現場では、「制度上は説明できそうだが、運用がうまく回らない」「評価に使える情報が揃わない」といった壁に直面するケースが多くなることが予想されます。
その背景には、介護施設と急性期病院の前提条件の違いがあります。
詰まりやすいポイント① 患者状態の変化スピードが違う
介護施設向け見守りシステムの多くは、転倒検知、離床検知、異常行動の通知といった、比較的明確なイベント検知を前提に設計されています。
一方、急性期病院では、患者状態の変化が速く、かつ連続的です。「異常が起きたかどうか」よりも、
変化の兆しがいつからあったのか
どの時点で介入したのか
結果として業務がどう変わったのか
といったプロセスの説明が求められます。イベント単位のアラーム設計では、こうした流れを後から整理することが難しくなります。
詰まりやすいポイント② 業務との結び付きが曖昧になりやすい
介護施設では、見守りシステムの導入効果を、「見回り回数が減った」「夜勤者の安心感が増した」といった定性的な評価で説明できる場面も多くあります。
しかし急性期病院では、看護配置や業務効率化との関係を、より具体的に説明することが求められます。
例えば、
どの業務が補完されたのか
看護師の判断にどう影響したのか
訪室や対応の内容がどう変わったのか
といった点が整理できないと、「見守りはしているが、業務効率化との関係が説明しきれない」という状態に陥りがちです。
詰まりやすいポイント③ 評価期間とデータの粒度が合わない
診療報酬改定対応では、病棟単位・期間限定での説明が求められるケースが想定されます。
ところが、介護施設向けに設計された見守りシステムでは、長期間の蓄積を前提とした設計や、全体傾向を重視したレポートになっていることも多く、短期間・限定範囲での評価に向かない場合があります。
その結果、「データはあるが、今回の制度対応に使える形ではない」「説明したい期間・病棟だけを切り出せない」といったギャップが生じます。
制度要件と現場運用の「間」にあるもの
ここまで整理してきた詰まりやすいポイントは、いずれもシステムの性能不足というより、制度要件と現場運用の前提が噛み合っていないことから生じています。
制度側は「業務効率化をどう説明するか」を求めている一方で、現場では「日々の業務を止めずに運用できるか」「短期間で評価できるか」が重要になります。
この「間」をどう埋めるかが、今後の見守りシステム選定・運用における大きなポイントになると考えられます。
介護施設向けとは異なるアプローチの必要性
こうしたギャップを踏まえると、介護施設向けに最適化された見守りシステムとは異なる設計思想やアプローチが、急性期病院向けの見守りシステムでは必要になる場面が多くなると考えられます。
例えば、状態変化を連続的に捉えられること、後から業務との関係を振り返りやすい形で整理できること、病棟や期間を限定して評価しやすいことなどは、その一例です。
これらは、急性期病院で制度対応を見据えた見守り運用を検討する際の、一つの方向性と言えるでしょう。こうした考え方は、MEGTARでも重視しているポイントの一つです。
では、どこから始めるべきか
ここまで、制度が求めていること、急性期病院の現場条件、そして既存の見守りシステムが詰まりやすい理由について整理してきました。
次回は、「では実際に、急性期病院で制度対応を見据えた見守り運用を始めるとしたら、どこから手を付けるのが現実的なのか」という点について、より具体的な考え方を整理します。
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