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2025年度に活用できるDX補助金、医療機関編

  • 執筆者の写真: MEGTAR_PR
    MEGTAR_PR
  • 5月9日
  • 読了時間: 6分


近年、医療機関におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は、業務効率化、患者サービスの向上、そしてより質の高い医療提供を実現する上で不可欠となっています。


2025年度も、医療機関のDXを支援するための様々な補助金・助成金制度が用意されています。本記事では、全国の医療機関が活用できる主要なDX関連の補助金・助成金について、その概要、要件、補助額などを解説します。





1. はじめに:医療機関におけるDX推進の重要性と支援策


医療現場では、人手不足や業務の複雑化といった課題が深刻化しており、DXによる効率化が急務となっています。政府もこの状況を鑑み、IT導入補助金や医療情報化支援基金など、複数の支援策を通じて医療機関のDXを後押ししています。これらの補助金を活用することで、医療機関は経済的な負担を軽減しつつ、DXを推進することが可能です。





2. 主要な国の補助金・助成金



2.1.1. 概要と目的

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を目的として、業務効率化やDXを推進するためのITツール導入を支援する制度です。医療法人も対象に含まれており、2025年度は特に最低賃金引き上げへの対応やセキュリティ対策強化が重視されています。   


2.1.2. 対象となるITツール

電子カルテ、医療費請求システム(レセコン)、予約・受付システム、オンライン診療システム、在庫管理・物品発注システム、勤怠管理システムなど、幅広いITツールが補助の対象となります。これらのツールは、事前にIT導入支援事業者によって登録されている必要があります。   


2.1.3. 補助枠と補助金額・補助率

IT導入補助金2025には、主に以下の3つの枠があります。  


  • 通常枠

    • 業務効率化や売上向上を目的としたITツール導入を支援します。補助率は原則1/2ですが、一定の条件を満たす場合は2/3に引き上げられます。補助金額は5万円から450万円の範囲で、導入するITツールが改善する業務プロセスの数に応じて変動します。   

  • インボイス枠(インボイス対応類型)

    • インボイス制度に対応した会計ソフトや請求書発行ツールなどの導入を支援します。補助率は中小企業で3/4以内、小規模事業者で4/5以内と高く設定されており、PC等のハードウェアも一部対象となります。補助金額はITツールの機能数に応じて最大350万円または450万円です。   

  • セキュリティ対策推進枠

    • サイバーセキュリティ対策サービスの導入を支援します。補助率は小規模事業者で2/3、中小企業で1/2で、補助金額は5万円から150万円です。   


2.1.4. 申請スケジュールと手続き

申請はオンラインで行われ、事前のGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。2025年度の公募スケジュールは複数回に分かれており、第1次締切は5月12日、第2次締切は6月16日、第3次締切は7月18日となっています。   




2.2.1. 概要と目的

医療情報化支援基金は、医療分野におけるICT化を推進するために創設されました。オンライン資格確認システムの導入支援、電子カルテの標準化支援、電子処方箋の普及促進などが主な目的です。   


2.2.2. 支援対象事業と補助内容

  • オンライン資格確認システム導入支援

    • 資格確認端末や顔認証付きカードリーダーの購入費用、既存システムの改修費用などが補助されます。オンライン資格確認の導入は、受付業務の効率化や保険証の確認漏れ防止に繋がります。   

  • 電子カルテシステム標準化支援

    • 標準規格に準拠した電子カルテシステムの導入初期費用が補助されます。IT導入補助金と連携して利用できる場合があり、最大450万円の補助金が交付される可能性があります。   

  • 電子処方箋導入支援

    • 電子処方箋システムの導入費用が支援されます。補助対象期間は2025年9月までに導入した施設に拡大されました。補助金額は医療機関の種類や導入する機能によって異なります。   


2.2.3. 電子処方箋導入補助の補助金額(上限)例

医療機関/薬局の種類

基本機能部分

基本機能+追加機能部分

機能拡充・促進事業(追加機能:リフィル処方箋等)

機能拡充・促進事業(追加機能:院内処方機能)

大規模病院 (200床以上)

162.2万円

200.7万円

45.2万円

55.0万円

病院

108.6万円

135.3万円

33.3万円

39.3万円

診療所

19.4万円

27.1万円

12.3万円

10.8万円

大型チェーン薬局

9.7万円

13.8万円

6.4万円

1.5万円

薬局

19.4万円

27.7万円

12.8万円

3.0万円



2.3.1. 概要と目的

この事業は、物価高騰等の経済状況の変化に対応し、地域医療構想の推進や救急医療体制の確保などを目指す医療機関を支援するものです。2025年度も継続して実施され、「生産性向上・職場環境整備等支援事業」はその重要な柱の一つです。   


2.3.2. 対象となる医療施設

病院、有床診療所、無床診療所、訪問看護ステーションが対象です。2025年3月31日までにベースアップ評価料に関する届け出を行っている必要があります。   


2.3.3. 支援内容と補助金額

ICT機器等の導入による業務効率化(タブレット端末、離床センサー、Web会議システム等)や、タスクシフト/シェアによる業務効率化などが支援対象となります。補助金額は以下の通りです。 


  • 病院・有床診療所:許可病床数×4万円

  • 無床診療所:1施設あたり18万円

  • 訪問看護ステーション:1施設あたり18万円

  • 許可病床数が4床以下の有床診療所:1施設あたり18万円





3. 医療DX推進体制整備加算:診療報酬によるインセンティブ


医療DX推進体制整備加算は、補助金ではありませんが、医療機関がDXを推進することで診療報酬に加算される制度です。オンライン請求の実施、オンライン資格確認体制の整備、電子処方箋の発行体制などが算定要件となっています。   


2025年度には、マイナンバーカードの利用率基準が引き上げられ、電子処方箋の導入状況によって加算される点数が異なります。マイナ保険証の利用率に応じて最大8点が加算され、電子処方箋を導入している場合はさらに高い点数が算定されます。   




4. 地域独自の補助金・助成金


国レベルの支援策に加えて、自治体によっては独自の補助金制度を設けている場合があります。例えば、東京都では、都内の病院における電子カルテシステムの導入や更新を支援する「病院医療情報デジタル推進事業」が実施されています。この事業は、地域医療連携ネットワークへの参画などを促進し、医療情報の共有・連携を図ることを目的としています。   


2025年度の申請期間は2025年4月1日から5月30日までで、補助対象となる経費には、電子カルテシステムの導入費用やコンサルタント費用などが含まれます。補助率は病院の病床数によって異なり、200床以上の病院では1/2、200床未満の病院では3/4となっています。  


このように、地域によっては国レベルの支援策に加えて、独自の補助金制度が設けられている場合があるため、各医療機関は所在地の自治体の情報を確認することが重要です。




5. まとめと今後の展望

   

2025年度も、医療機関がDXを推進するための様々な支援策が用意されています。これらの補助金・助成金を活用することで、医療機関はDX推進の初期投資を抑え、業務効率化や患者サービスの向上を図ることができます。各制度の要件や申請期間を確認し、自院の状況に合わせて最適な支援策を検討・活用していくことが重要です。


今後も医療分野のDXは加速していくことが予想されるため、最新の情報を常に把握し、積極的に取り組んでいきましょう。


【注意点】

  • 本記事は2025年5月9日現在の情報に基づいています。

  • 支援制度の内容は頻繁に変わるため、必ず最新の情報を各都道府県のホームページなどでご確認ください。

  • 支援制度の内容や申請手続きは、地域によって異なる場合があります。

  • 導入を検討する際は、専門家に相談することをおすすめします。弊社でもご相談を承っております。


介護施設で利用できる補助金については、こちらの記事をご参考ください。

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