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医療機器アラーム管理の応用編 - EEMUAガイドラインに基づく最適化

執筆者の写真: MICHIHIKO MIKAMIMICHIHIKO MIKAMI

更新日:2月13日




みなさん、こんにちは。MEGTAR開発担当の三上です。


前回は医療機器アラーム管理の基本原則について解説しました。今回は、それらの原則をより体系的に実践するための方法論として、EEMUAガイドラインの医療現場への適用について説明します。


MEGTARの開発・運用を通じて得られた知見も交えながら、具体的な最適化の手順をご紹介します。


EEMUAガイドラインとは


EEMUAガイドラインは、もともと産業分野でのアラーム管理最適化のために開発されたフレームワークですが、その体系的なアプローチは医療現場にも非常に有効であることがわかってきています。前回ご紹介した基本原則も、このガイドラインの考え方と整合しています。



アラーム管理最適化の5つのステップ


EEMUAガイドラインでは、アラーム管理最適化のための5つのステップが提唱されています。それぞれのステップについて、以下に解説します。


  1. アラーム哲学の策定

    • 全体方針の明確化

      • アラーム管理の根幹となる哲学を明確化します。

      • 患者安全の確保を最優先事項として位置付け、医療スタッフの負荷軽減を重要な目標として設定します。

      • 前回の基本原則(有用な機器のみの導入、予防可能なアラームの抑制)を方針に組み込みます。

    • 運用基準の文書化と教育

      • 策定した方針と具体的な運用基準を明確な文書としてまとめます。

      • 定期的な研修を通じて、全スタッフに周知徹底します。

      • MEGTARの活用方法についても共有し、理解を深めます。


  2. アラームインベントリの作成とリスク評価

    • 網羅的なアラームの把握

      • 医療現場に存在する全てのアラームをリストアップします。

      • 全医療機器のアラーム種類を網羅的にリストアップし、MEGTARを活用してアラーム発生数を定量的に把握します。

      • アラーム発生時の状況をMEGTARの画像・動画機能で記録し、詳細な分析に役立てます。

    • リスク評価の実施

      • 各アラームの重要度を分類し、患者安全への影響度を評価します。

      • 医療スタッフの対応負荷も評価し、アラーム管理の優先順位を決定します。


  3. 人間工学を考慮したアラーム設計

    • 個別化されたアラーム設定

      • 患者状態に応じたアラーム閾値を調整し、MEGTARでアラーム発生傾向を可視化します。

      • 設定変更の効果を確認し、より適切なアラーム設定を目指します。

    • ユーザビリティの向上

      • アラーム表示の視認性を確保し、操作手順を簡素化します。

      • 臨床ワークフローとの整合性を考慮し、現場の負担を軽減します。


  4. 継続的な改善サイクルの確立

    • データに基づく評価

      • MEGTARによるアラーム発生数の経時的分析やグラフ化機能を活用し、トレンドを把握します。

      • 改善効果を定量的に評価し、PDCAサイクルを回します。

    • 改善活動の実施

      • 問題点を特定し、具体的な対策を立案します。

      • パイロットテストによる検証やスタッフからのフィードバック収集を行い、改善活動の質を高めます。


  5. 規制対応と品質管理

    • 各種規制への準拠

      • 医療機器規格(IEC 60601-1-8等)を遵守し、院内基準との整合性を確保します。

    • 品質管理体制の構築

      • 定期的な内部監査を実施し、改善活動の記録と文書管理を徹底します。



MEGTARの活用ポイント


現在、MEGTARではアラーム数のカウントとグラフ化、およびアラーム発生時の画像・動画記録機能を提供しています。これらの機能を活用することで以下を実現できます。

  • アラーム発生状況の定量的な把握が可能

  • 改善活動の効果を可視化できる

  • アラーム発生時の状況を詳細に分析できる



今後の展望


EEMUAガイドラインに基づくアラーム管理の最適化は、継続的な取り組みが必要です。


MEGTARの機能も、医療現場のニーズに応じて進化させていく予定です。医療安全の向上と医療スタッフの業務効率化の実現に向けて、引き続き開発を進めていきます。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

もしよろしければ、コメントを残していただけると非常に嬉しいです。

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